うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「ありがとうございます。……どうか私が辞めることは、社長や副社長のお耳に入れないようお願いできませんでしょうか?」

私の願いが意外だったのか、課長は目を丸くさせ狼狽える。

「いや、しかし……。キミは社長の第一秘書だ。そんなキミが急にいなくなったら社長も寂しいだろう?」

「だからこそです。……社長にはこれ以上、余計な心労をかけたくないんです。今、社長は回復に向かっております。ここでまた私が辞めるとなれば、お身体に障るかもしれません」

「それもそうかもしれないが……」

言葉を濁す課長に畳み掛けていく。

「秘書として社長には一日も早く復帰してほしいんです。きっと私が退職する日までに社長は退院できると思います。その後は自宅療養に入られる予定ですので、私の姿が見えなくなっても大丈夫かと。それと副社長に知られたら、社長の耳にも入ってしまうと思うので、どうかふたりには内密にしてくださるよう、お願いいたします」

しばらく考え込んだ後、私の気持ちを課長は理解してくれた。
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