うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「わかった、尽力しよう」

「……ありがとうございます!」

よかった、これでふたりに知られずに済む。

それから退職するまでの一ヵ月間は、めまぐるしく過ぎていった。

「寂しいです」と泣きじゃくる堀内さんと連日ランチを共にし、引継ぎや通常業務の合間に、今まで通り社長が入院する病院へ向かい……。そしてこっそりと、次の勤め先を探しながら、廉二郎さんとも普段通りに接していた。

「本当ですか? ありがとうございます」

部屋の片づけをしているとかかってきた一本の電話。それは一週間前、面接を受けた会社からだった。

無事に採用されホッと胸を撫で下ろす。あとは早く会社近くに住む家を探さないと。

退社を機に実家を出ることに決めた。

ちょうどいい機会だったのかもしれない。いつまでも実家暮らしで甘えているわけにはいかないもの。ひとりで暮らしてわかることもたくさんあるはず。
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