うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
合鍵を使い入ると、やはり部屋の中は荒れていた。

そうだよね、掃除する暇もないほど忙しいよね。

電話で何度か話したけれど、声が疲れ切っていた。社内で見かけるたびに忙しそうにしていたし、少し痩せていた。

以前作り置きしていったおかずは全部なくなっている。忙しくてもちゃんと食べてくれたのかと思うと嬉しい。

「……よし!」

エプロンをつけて掃除から取り掛かった。

リビングやお風呂、トイレ……。全部彼と一緒に掃除をした。ひとつひとつ教えながらふたりで楽しくやったよね。
思い出が蘇って、涙が零れそうになり、慌てて目元を拭った。

泣いている場合じゃない。時間は限られているんだから早くやらないと。

掃除を済ませ洗濯乾燥機を回している間に、料理に取りかかる。

作るのは廉二郎さんの好きな物と、彼が美味しいと褒めてくれた料理ばかり。

もちろん栄養バランスも考えて作っていく。

大量のおかずをすべてタッパーに入れて保存し、乾いた洗濯物を畳み終える頃、仕事を終えた廉二郎さんが帰ってきた。
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