うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「いや、だから別にデートってわけじゃ……」

否定するけれど、しどろもどろで、おまけに普段は滅多に着ない服を着てオシャレをしているんだもの。デートだってバレバレ。

私と兄弟たちのやり取りをクスクスと笑いながら静観していたお母さんは、ここで助け船を出してくれた。

「はい、みんなお姉ちゃんデートに遅れちゃうから、送り出してあげましょう」

するとみんなして「そうだった、ごめんね日葵姉ちゃん」「デート楽しんできてね」と言いながら、グイグイ私の背中を押してくる。

そしてあっという間に玄関まで追いやられ、家族みんなに笑顔で送り出してくれた。

「いってらっしゃーい」

「い、いってきます……」

俯きながら家を出る際、どこで覚えたのか「今夜は帰ってこなくてもいいよー」と言われ、恥ずかしくなりながら家を出た。

ドアを閉めると家の中からはみんなの笑い声が聞こえてくる。

おませな妹に苦笑いしながらも、空を見上げると雲ひとつない青空が広がっていて、絶好のデート日和だった。
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