うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
ついいつもの癖で会社で交わすような硬い挨拶をすると、副社長もハッとし口を開いた。

「いや、こちらこそよろしく」

そう言うと副社長は口元に手を当て、チラチラと私を見る。

「……びっくりした、いつもとは雰囲気が違うから。すごく似合っている」

そしてふわりと笑う彼にますます恥ずかしくなる。

「それはっ……ありがとうございます。……副社長も素敵ですよ」

「――えっ?」

ボソッと本音を漏らすと彼は目を剥く。

「ですからその……今日は普段よりも素敵に見えます。とってもお似合いです」

無駄に髪に触れながら伝えると、副社長の耳が赤く染まった。

「……ありがとう」

「い、いいえ」

お互い視線を泳がせながら言葉を交わした後、今の状況が可笑しくて目が合うと、仲良く口角が上がる。

なんだろう、この甘酸っぱい気持ちは。無性に足をジタバタさせたくなる。

「どうぞ」

副社長は紳士に助手席のドアを開けてくれて、慣れないエスコートに緊張で身体が強張る。

「ありがとうございます」
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