僕はキミの心臓になりたい



羽賀くんは、学校に出遅れた私を

心配して気にかけてくれたのに。



クラスで浮いていた私に

唯一笑顔で話しかけてくれた人なのに……



そんな優しい彼を、私は突き放した。



羽賀くんは全部、私のために

していてくれたことなのにね。



羽賀くんは何も悪くないよね。


どうして私は自分のことばっかりなんだろう……


自分がただ臆病なだけなのに

勝手にイライラを羽賀くんにぶつけただけじゃん。


最低だ、私……



「美羽!」



思いがけない声が聞こえて振り向いた。


うそ……


どうして……?


羽賀くんが走って、私を追いかけてきたのだ。


何で私なんかを追いかけてくるの?



私は急いで涙をぬぐった。


羽賀くんは息を切らして、私の前に立った。



「美羽…ごめんな」



「俺、美羽が嫌な思いしてるの知らなくて

勝手なことばかりやってたよな」



答えに迷っていて黙ったままでいると

羽賀くんは続けた。



「俺さ、美羽のことしか見えて

なかったから周りのこと気にしないで

自分のことばっか考えてた。

本当に、ごめん」



私は首を横に振った。



「…違う、違うの。ごめんね

羽賀くんは何も悪くないよ」



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