僕はキミの心臓になりたい



「なにそれ?」


羽賀くんが手にしていたのは

白いシンプルな手帳のようなものだった。



「夢を叶えるノート」


「夢を叶える…?どういうこと⁇」


「どうって、そういう意味だよ!

このノートに美羽のやりたい事を

どんどん書いて、それを2人で

叶えてくんだよ。

おもしろそうだろ?」



羽賀くんは楽しそうに

手帳を開いてパラパラめくりながら

言ったが、私にはまだ理解できなかった。



「学校で俺といるのが辛かったら

休日に俺と付き合ってよ」



「なっ何で私とそんなこと…」



「美羽は今まで入院ばかりで

やりたいことたくさん我慢してきただろ。

でも、今は自由。

我慢しなきゃいけないことなんかない。

この時間を自分の好きなことに

使いたいって思わない?」



「羽賀くん……」



「美羽のしたいことを

たくさんしていこう。

俺がこの夏を、最高の夏にしてやるよ!」



そう言った羽賀くんの笑顔は

今まで見たことないくらいにまぶしかった。



< 52 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop