[完] 空に希望を乗せて [長編]

大会後

「今日の大会、すごかったね」
スプリングカップの帰り道私たちは今日のことを思い出しながら、きゃっきゃ言いつつ会場から駅に向かう。特に3年VS3年の戦いや、3位決定戦以上の戦いは壮絶だった。シャトルのスピードが目に見えないほど速くて、いつかこうなりたい、と思った。結果はシングルは希美先輩が3位、ダブルスはなんと、依先輩と奏先輩が3位になった。やっぱり最後は負けてしまったけど、本当にすごかった。弓場高校の強さを見せつけられた気がした。
「ねぇ、今日の茜先輩、かっこよくなかった?」
「それ!」
茜先輩は結構悪く言えばヘラヘラ、良く言えばいつも笑顔で面白い先輩だ。そんな先輩で練習で試合してるときも大体笑顔で、ヘラっとしてて。そんな茜先輩が今日の試合では本当に真剣な表情をしていた。絶対負けないから。そんなオーラが茜先輩を取り巻いていた。
「なんかいつもと違う印象だったー」
「うんうん!」
「でもいつもがああでなきゃ、先輩のかっこよさは感じられなかったよねー」
「うん。茜先輩だからこそ、なんだよね」
「うん、あ、電車きたよ!」
「ほんとだ!それじゃーね!」
「うん!」
そんな先輩たちの意外な一面や、新たな発見もあり、なんだかウキウキした気分で家に帰った。
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