お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「私……?」


「そう」


頷き、優しい目で微笑む界さん。


どうして私が黒木さんの恋愛話に絡んでくるの……?


黙ってしまった私に界さんは何も言わず、ポンポンと頭をなでてくれた。


「まあでも、こ〜んな可愛い子がいたら、そりゃあ誰にも興味なんてなくなるわよねぇ」


「えっ!?」


今までのしんみりとした空気から、さっきのテンションに逆戻り。


「可愛い紗姫ちゃんが寂しがるから無理かもしれないけど、私も美都ちゃんの執事、やってみたいわぁ」


「だれが寂しがるかっ!!」


ギロッと睨みつける紗姫に構わず、とびっきりの笑顔で顔を近づけてきた。


「ね、美都ちゃん。
良かったら、私のお嬢様になってみない?」


「えっ、えっ!?」


なんですと!?


「やだ!驚いた顔も超キュート!!
こりゃあ、十夜が溺愛するのも分かる気がするわぁ。ね、美都ちゃん、本気で私のお嬢様に……」


またガバッと抱きついてこようとする界さん。



「ちょっ、界さん……!?」


「おい、界!!」



驚く私と紗姫が、伸びてくる腕を止めようとしたその瞬間。



「それ以上美都に近づいたら、そのメイクとウイッグ、ここで全部落とす」
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