お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「大丈夫か?」
トイレから出てすぐ、壁に寄りかかって立つ紗姫がいた。
「待っててくれたの?」
「ああ。まあ、黒木に頼まれただけだけど……」
私がトイレに行った後、すぐに誰かに呼ばれていなくなった黒木さん。
どうやら私の方へ行こうとしたタイミングで呼ばれたらしく、めちゃくちゃ機嫌が悪かったらしい。
「紗姫、ご飯は?」
「美都がトイレに行ってる間に全部食ったよ。美都も食べ終わってたし、片づけといた」
「ごめん紗姫、ありがとう……」
「いいよ、いいよ。
謝んなって」
にこっと優しく笑いかけてくれる紗姫。
私、紗姫に助けられてばっかりだ。
「そういや界さんは?」
トイレを離れ、校舎に戻りながら聞いてみた。
「ああ。黒木が行って、しばらく経ってから授業だって言って慌てて行ったよ。美都によろしくって」
「そっか」
界さん、色々ぶっ飛んでたなぁ……
「なんかごめんな?せっかく気分転換にって誘ったのに、バタバタしちゃって」
「いいよいいよ全然!!
界さん、変わった人だけど面白いね?
紗姫のこと、めっちゃ大好きみたいだし」
「まあ、あれはいつものことだから」
あれ、珍しく紗姫が照れてる。
ふふっ、男の子の姿をしているとはいえ、やっぱり心は女の子。
いつもカッコイイ紗姫も、こんな可愛い一面があるんだなぁ……