お嬢様、今夜も溺愛いたします。
─────────


「なに、ここ……」


空いた口が塞がらないというのは、まさにこのことで。


目の前には〇〇ドーム何個分かも分からないほど、広い土地。


その真ん中にそびえ立つのは、まさにお城と言っても過言ではないほど、大きな洋館。


「どうぞこちらへ」


車から降り、さっきの人に案内されて中へと入る。


「うわぁ……」


そのすごさに、圧倒されてしまう。


天井から下がるいくつものシャンデリアは、キラキラと輝いていて。


大理石?らしき床には、ワインレッド色の絨毯。


ドラマ現場の撮影かよっ!!


そうツッコミたくなるのを我慢して、男の人の後ろに続く。



らせん階段を登り、長い廊下を歩いた先にある、周りに比べて一際大きそうなその部屋。


「旦那様。美都様をお連れしました」


「入れ」


コンコンと扉をノックした後、中から聞こえた渋い声。

どうやら、今応えた人が、何度も話に出る旦那様みたい。


< 15 / 353 >

この作品をシェア

pagetop