片思い終着駅


長い履修登録も終わり、わたしとつばさくんは大学を出て、つばさくん行きつけの美容室に向かった。

ナンバーワンホストということもあり、大学を出るとすぐにマスクを着ける。

この時期は花粉症の人に紛れ込めるけど、夏は相当キツいらしい。

外ではあまり話さないつばさくん。
後ろをついて行くだけのわたし。

マスクをしていても、すれ違った女の人に振り返られたり、電車に乗っていると、向かい側に座っている女子高生が、目をハートにして見ていたり。

どこにいても注目されているつばさくん。
疲れるの当たり前だよ…。
せっかくのつばさくんの大事な時間を、わたしに使ってくれるだなんて…。

つばさくんが、家でくつろぐのが好きっていう意味が少しわかった。


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