蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
僕はお茶に口をつけることもせず、尾崎さんの話に耳を傾ける。


「でも、からかう程度のものだったみたいです」


そう言って尾崎さんは数枚のメモ用紙を取り出した。


可愛いイラストが入っているそれには、三浦さんをからかうような文章が並んでいる。


けれど、たしかにイジメと呼ぶには優しいもののような気がした。


バカとか、あほとか、直接的な言葉はどこにも書かれていない。


「このくらいであの子が自殺をするなんて、私には思えません」


尾崎さんはそう言い、拳を握りしめた。


「私が一緒に暮らしてあげていれば、なにかわかったかもしれないのに……」


「自分を責めないでください」


そう言ったのは翔平だった。
< 229 / 336 >

この作品をシェア

pagetop