蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
三浦さんの言葉に僕の心臓がギュッと悲鳴を上げた。


前回同様、自ら命を絶った者は蘇りを拒否することが多い。


自分から死ぬことを選んだのだから、当然と言えば当然だ。


けれど、三浦さんは尾崎さんに会いたいと言っている。


そのチャンスは今だ。


手の中に握りしめた骨が、微かに温かみを感じている。


説得すれば、三浦さんはきっと蘇ってくれるだろう。


《部屋の中、とっても綺麗だった》


僕は呟くようにそう言った。


寒気を感じるほど綺麗な部屋。


それは自分から死ぬことを選んだからこそ、できる部屋だった。


《無駄なものは全部捨てたから》


そう言う三浦さんの声が少しだけ震えた。
< 244 / 336 >

この作品をシェア

pagetop