蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
《本当に無駄なものだった?》


僕の質問に、三浦さんは答えない。


部屋を掃除した理由は、自殺すると言う事が原因だけではないようだ。


三浦さんが躊躇しているのがわかる。


《僕に言えないことでも、尾崎さんになら言えるんじゃない?》


三浦さんの瞳が揺れる。


目に一杯の涙が浮かんでいるのがわかった。


手の中の骨が熱くなる。


三浦さんは蘇りを希望しているのだ。


《誰にも言えなかった。何も言えなかった》


三浦さんの両目からボロボロと涙があふれ出す。


それはとどまることを知らず、三浦さんはその場に膝をついてなきじゃくる。
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