プロポーズは突然に。
「あぁいうことをわざわざ大声で言うなんておかしいだろ。鏡越しに香坂を見てたからすぐ分かったし」
「やってることガキだな。本当につまらない男。桃ちゃん、あんなの気にしなくていいよ」
「…」
たしかに宏樹はつまらない人間だと思う。
態度も悪いし、挨拶とか礼儀も全くなっていない。
仕事に誇りなんてこれっぽっちも持っていなくて、ただ女にモテたいからやってるだけって言っていた。
好きになれる要素も尊敬できる要素も一つも持ち合わせていないような男だった。
だから、つまらない人間なのは間違いないけど…
「私も同じなので気にしてませんよ」
「ん?」
「宏樹が言ってた通り、私もつまらない女ですから。はい、着きましたよ。先どうぞ」
「つまらない人間がセレブに見初められるとは思えないけどね。ありがと、お先に」
「…」