プロポーズは突然に。
閉店後、週に2、3回のペースで開かれる練習会が行われた。
スタッフ全員で技術向上のために頑張る学びの時間。
それが終了したところで、美容師としての一日が終わる。
もちろん最後まで片付けるのは私の役目だけど。
「ふぅ、疲れた…」
全てを終わらせて腕時計で時間を確認すると22時半を回ったところだった。
この時間なら…大丈夫。
そう思い、従業員専用の出入り口から外に出た瞬間…
「おかえりなさいませ、奥様」
「…」
目の前には見慣れた高級車が停められ、日下さんが頭を下げている。
日下さん、どうしてわざわざ車から降りて待っていたのだろうか。
10月も終わろうとしていて、夜は冷えるというのに…