プロポーズは突然に。


後部座席の窓から顔を覗かせ私を見据えるその男性は、あまりにも人間離れしていると思った。


勿論ちゃんと人間なんだけど纏っている雰囲気が特別というか、オーラが滲み出ているというか……
存在そのものが周りの空気を変える、まさにそれだ。


そんな全く知らない男に射抜くような鋭い視線を向けられ、私は相当困惑していた。




「あの、何か…?」

「車に乗れ」




低く響くその声のトーンに思わず肩がピクリと動く。


ナンパみたいな軽いノリとは違う。


……すごい威圧感だ。


そもそも初対面なのに第一声が“車に乗れ”だなんて…何様?


スモークが貼ってあるこんな車に乗って襲われでもしたら…
それに運転手がいるから乗った瞬間連れ去られる可能性だってある。


やっぱり…怪しいし危険だ。



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