プロポーズは突然に。
「窓は開けたままにしておくから心配しなくていい。運転手にも席を外させるから連れ去ったりもしない」
まるで私の不安を見透かしたかのような台詞。
そうですか?分かりました、じゃあ乗りまーす!
…と言うとでも思っているのだろうか?
知らない男の車にホイホイ乗り込むほど私は馬鹿じゃない。
誰かに守ってもらうんじゃなく、自分の身は自分で守るんだ。
「車には乗りません。もし用件があるならここで聞きます」
「随分お堅いんだな。じゃあ用件を二つ」
そう言うと彼は後部座席の扉を開け、車から降りると私の目の前に立つ。
先程まで同じ目線にいた彼が私を見下ろす様に身震いがした。
見上げた感じからして180センチはあったはずの宏樹よりも背が高いのが分かる。
ただ立っているだけなのにこの人に見下されると世界は滅びるのではないか、と思ってしまうほど威圧感が倍増していた。