プロポーズは突然に。





「奥様、お待ちください!」

「え?…ちょっと…!」



後ろから追い掛けて来たと思われる日下さんに腕を強く掴まれ、体が後ろに引っ張られる。


驚いて振り向いた先に見えた日下さんは、何かに怯えるような表情をしていた。




「手荒な真似をして申し訳ございません…お願いします。車に…乗ってください…」



何をそんなに必死になっているのだろうか。

別に私は芸能人でもどこかの令嬢でもないのだから守ってもらう必要なんてないのに。

今までだって夜道を普通に歩いていたのに…


彼と結婚したことで、普通のことが普通にできなくなる。

…面倒くさい。


死ぬまでこんな思いをするなんて…やっぱり無理。
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