プロポーズは突然に。








「………誕生日」


彼の問いに答えるように私がポツリと呟けば、


「誰の?」


彼がそう聞いてくる。


「もう過ぎたけど…聡の、誕生日」


だから私は白状するしかなかった。




『今日は聡様のお誕生日でございます。お二人でお祝いしたらいかがですか』

『…そういうの面倒くさいんで』

『では、面倒だと感じない日にでも。きっとお喜びになりますよ』

『…』




日下さんと10日以上前に交わしたやりとり。



やる気が起こらない日って誰にでもあると思うんだ。


仕事を全力で頑張る毎日。帰宅後の私はいつもクタクタで脱け殻状態、家事なんて後回し。



面倒なことだって勿論後回し。



そして、


その“面倒くさい”をやっと脱したのが今日だったというだけの話。


そんな私に彼はふっ、と口元を緩ませる。




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