プロポーズは突然に。




待って、と言った彼の言葉通り、彼の仕事が終わるまでそばにいることになった。


というよりも、強制的にそうなったと言っても過言ではない。


だって、さっきまで書類が握られていた彼の左手は、今は私の腕を強く掴んだまま離さないのだから。




「…終わった。じゃあ寝るか」




10分後、そう言ってノートパソコンを閉じた彼は、私の腕を掴んでいた手を少し下げ、指を絡めるように繋いでくる。


あまりにもナチュラルなその動きに戸惑いながらも、




「…うん。寝る」




私はそれを受け入れた。


スキンシップは嫌い。

ベタベタ触られるのも、しつこく構われるのも。

だけど、彼の手はいつだって温かくて…

その温もりを求めるように、必死に握り返している私がいた。





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