プロポーズは突然に。




「そうだ。これ、香坂にやるよ」



加賀美さんは、ハッと思い出したように、手に握られていた封筒を私に差し出す。

私は反射的にそれを受け取った。





「これは?」

「強烈女子大生が福引きで当てたとかでくれた」

「福引きで…」

「一緒に行こうとか騒いでたから無視したんだけど…押し付けられた」

「はぁ…」




受け取った茶色い封筒をゴソゴソ探ると、中から出てきたのは二枚のチケットだった。

…なにこれ。





「“温泉旅行ご招待ペアチケット”…?」

「お。いいじゃん。旦那と行けよ」

「いえ、彼は忙しい人なので…」

「んじゃ、友達とでも。俺、次の指名入ってるから行くわ」

「えっ?ちょっと…」





加賀美さんは、そそくさと次のお客様の元へと行ってしまい、ペアチケットは私の手の中。

友達…芽衣子はちょっと会いにくいし。

………どうしよう?

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