プロポーズは突然に。
それから彼は赤信号で停まる度に、寒くないか?とか、何か飲む?とか、眠かったら寝てていいから、とか、とにかく私を気遣いまくった。
育ちがいいからなのか、それとも慣れているのか……
それは分からないけれど、然り気無く、且つ嫌味なく私を女性扱いする彼の振る舞いには少しくすぐったいような気持ちを覚えてしまう。
だけど、どこまでも可愛くない私は、そんなことを思っているなんて絶対知られたくなくて、必死に話題を探していた。
「……二日も休んで仕事は平気?」
「あぁ。律に全部任せてきた」
「律くんに…」
でも律くんはお飾り専務、のはずだよね。本当に大丈夫なのかな…
頭に過ったのは、せめて日帰りにすればよかった、という思いだった。