プロポーズは突然に。
彼の忙しさを毎日見ている私は急に不安になり、旅行に行きたいなんて口にしてしまったことを少し後悔した。
そんな私の眉間には自然と皺が寄る。
すると、赤信号でこちらに視線を向ける彼と目が合い、射抜くような、全てを見透かしたような、そんな視線を向けてくるから思わず目を逸らした。
「そんな顔するな。お飾りなんて周りには言ってるけど、律はちゃんと仕事が出来る人間だから平気だって」
「…そうなの?」
「頭も良いし、それに加えて愛想も要領も良い。人を上手く使えるから上に立つ人間としては相応しい」
だから心配しなくていい、と、運転しながら私の頭にポンッと手を乗せた彼に、また安心した。