プロポーズは突然に。
座椅子に凭れながら、口に含んだのはもう五本目の缶ビール。
旅行というシチュエーションがよりお酒を美味しくするような気がしてさっきから止まらない。
でも、もちろんそれっぽっちで酔うなんてことはなくて。
「あ、これ欲しい」
今だって、呑気にガイドブックを見ながら、気になったものを見つけてそんなことを呟いている。
「どれ?」
その呟きに反応するように向かいに座っていた彼が、私の隣に腰を降ろしてガイドブックを覗き込んでくるから、これ、と指差した。
「地酒?」
「うん。明日買って帰る」
「おまえは酒ばっかだな」
「まぁね。可愛いものとか全然興味ないし。本当、女として終わってるのによく私と一緒にいられるね」
また可愛げなく、皮肉ったことを言いながら六本目の缶ビールに伸ばした私の手は……
いとも簡単に彼によって制止された。