プロポーズは突然に。
そんな風に嘘を重ねながら高校を卒業し、専門学校に行き始めた頃だった。
父とは会えなかったけれど、時々電話で話していて…
その日も久しぶりに父から電話が掛かってきて、病気を患っていることを聞かされた。
もう…あまり長くないことも。
『すぐに日本に帰って入院する。だから…残りの時間を一緒に過ごしてほしい』
『何、言ってるの…?そんなの、奥さんが許すわけ…』
『必ず説得する。もうあの時みたいに後悔したくないんだ。お父さんが一番大切なのは桃華だから』
父は最後まで残酷で…だけどやっぱり、とても優しかった。