プロポーズは突然に。






頭に浮かぶのは、あの寂しげな雰囲気と下手くそな笑顔。


彼女は上手く笑えるようになっているだろうか。


その頃は毎日そんなことを考えながら過ごしていた。



『どんなに恵まれていても…忘れないでくださいね』



彼女のあの言葉を忘れた日はない。



与えられた仕事を全うし、

つまらないと思っていた日常に感謝して、

自分の立場に誇りを持って。



空っぽだった俺は、そんな風に変われていた。


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