プロポーズは突然に。
葬儀中、周りはヒソヒソとしていて彼女の話題で持ちきりだった。
彼女の母親はまともに育児もせず、風俗で働いては男に貢ぎ、借金までした挙げ句自殺した、とか、
お金のために彼女自身も体を売って生活しているのではないか、とか、
薬をやってるだの、子供を何度も堕ろしただの…
そんな真実なのか憶測なのか分からないようなことばかりが、あちこちから聞こえてきてうんざりだった。
葬儀後には興味本意で彼女に近付く人や、
蔑みの目を向ける人、
可哀想に…と言っては同情の眼差しを向けている人。
それだけで、彼女がこれまでどんな人生を送ってきたのか分かった気がした。
彼女は…とても残酷で冷たい世界を生きてきたんだろう。
好奇の目に晒される姿を見ていられなかった俺は、気付くと彼女のほうに向かって歩いていた。