プロポーズは突然に。



リビングにも、他のベッドルームにも、パウダールームにも彼の姿はなくて…


どうしよう、どうしよう…!



半ばパニックになり、激しく音を立て続ける心臓を必死に抑えていた。




―――カタンッ




その時、鼓膜を伝ったそんな音。


それに反応するように向かった先はバスルームだった。




バスルームの扉を開けてみれば、上半身裸の彼が濡れた髪をタオルで拭いていて…




「良かっ、た…」




ホッとした私は、その場に情けなくペタリと腰を落とす。


そんな私を見て、彼は口角を上げながらゆっくりと口を開いた。

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