秘密の恋は1年後

「開けてごらん」

 渡された袋に入っていたのは、手のひら大のサイズの化粧箱。


「クロエのラブストーリーっていう香水だよ。お前に似合うと思うから使ってみて」

 今まで香水には無頓着だったので、予想外のプレゼントに改めて驚く。なによりも、私のために探してきてくれたのが嬉しくて、思わず抱きついてしまった。


「尚斗さん、ありがとうございます!」
「……なんか香ばしい匂いがするけど平気か?」
「あっ!!」

 慌ててキッチンに戻り、火を止めてホイルを開くと焦げずに済んだようでひと安心。別に作っておいたレモンバター醤油を回しかけ、もう一度弱火にかけてなんとか無事に出来上がった。


 箸でひと口大に切り分けて食べた彼の反応を待つ。次いで、炊き立ての白米も頬張っている彼は、もうひと口鮭のホイル焼きを食べた。


「これ、美味いね。また作って」
「はい!」

 今日は大成功だ。嬉しくてにこにこしていたら、テーブルの向かい側から彼も小さく微笑み返してくれた。

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