秘密の恋は1年後

 食後は、明日持っていくために焼いたヨーグルトマフィンをお皿に乗せ、リビングのソファで寛いでいる彼に出した。


「明日結衣さんのところに持っていくものなので、味見してもらえますか?」
「いいよ」

 ひと口食べて、すぐに小さく何度か頷いた彼は「おいしい」と言ってくれた。

 尚斗さんのお墨付きももらえたことだし、明日はきっと喜んでくれるはず。
 あとは結衣さんからポテサラの極意を学んで、彼が食べたいと言った時に作れるようになろう。



「ちょっとつけてみない?」

 ソファで並んで座り、連続ドラマを見ていたら、ローテーブルに置いていたプレゼントを手に彼が言った。
 私の手を取り、手首の内側にひと吹きして擦り合わせると、鼻先まで近づけて香っている。

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