秘密の恋は1年後
「まひるのせいで、今朝は眠いなぁ」
「えっ! 私のせいなんですか!?」
「お前が欲しがったからだろ?」
尚斗さんは、私を困らせるのが本当に好きみたいだ。
昨夜は、身体が壊れておかしくなってしまうのではないかと思うほど、激しく貫かれた記憶がある。
「思い出して、ぼんやりするな」
「嬉しかったんですから、思い出すくらい許してください」
意地悪に微笑む彼にはどうやっても勝てそうにないけれど、トーストとスクランブルエッグ、フルーツヨーグルトを出しながら言い返したら、彼はなぜか顔を背けてしまった。
出勤時間になり、電車通勤の私が先に家を出た。
尚斗さんは基本的に愛車で通勤しているので別ルートになるのだけど、そこで一緒に乗せて行ってくれるという選択肢は、端からなかったようだ。