秘密の恋は1年後

「熱っぽいとか、怠さがあるなら無理しないでいいよ」
「大丈夫です! ずっとキッチンにいたから火照ってるだけで」
「それならいいけど。先にシャワー浴びてくる」
「はい」

 あぁ、びっくりした。
 だけど、尚斗さんの優しさのおかげで、スイッチを切り替えることができた。


 二十分ほどで、尚斗さんがシャワーから戻ってきた。
 黒のTシャツにネイビーのパイル地のハーフパンツ姿で、ダイニングに座った彼はすっかりリラックスモード。


「ビールにしましょうか?」
「そうだね。でも、いいよ。まひるは食事の用意だけお願い」
「はーい」

 いつもなら、私が用意するのを止めないのに、今夜に限って彼は自ら動いてくれる。
 まだ私の体調を気にかけているなら、本当に大丈夫なんだけどな……。尚斗さんのさりげない優しさで、瞬間沸騰しただけだもの。


 コーンクリームシチューと、夏野菜のピラフ、蒸し鶏の和風おろしソースを食卓に並べると、すぐに彼は箸を付けた。
 もうそろそろ、レシピの数も目標を達成できそうだ。
 食事が終わったら、手帳を彼に出して合格の印をもらおう。

< 259 / 346 >

この作品をシェア

pagetop