秘密の恋は1年後

 そして、はぁっと大きく息をついた彼に不意に抱きしめられて、胸の奥がつられてきゅんとする。


「本当、最高の誕生日だ」
「よかったです。私のサプライズパーティーは大成功ですねっ!」
「ご褒美、ほしい?」

 耳元で低く響く彼の声が、徐々に吐息混じりになっていく。
 小さく頷いて答えると、そのままソファに押し倒され、さっきまで彼が仰いでいたシーリングファンを見つめた。


「……どうして俺が物は要らないって言ったと思う?」

 頬や額、耳や首筋にキスをしながら問いかけてくる。


「尚斗さんはなんでも持ってるから? 欲しいものは自分で買う主義でしたっけ?」
「両方ともハズレ」
「じゃあ、なに……んっ」

 ちゅうっと唇に吸い付かれて、声まで食べられたようだ。

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