秘密の恋は1年後

「どうぞ気を使わず、ゆっくりしていってください」
「ありがとうございます」

 荷物を置いてくると結衣さんに告げ、彼はリビングを一度出て行った。


「あの……今の方は」

 ふたりの男性と結衣さんが一緒に暮らしているなんて、どういうことなの?
 考えを巡らせていると、社長がソファに戻ってきた。


「俺の兄の愛斗。それで、結衣ちゃんは兄貴の奥さん」
「えっ、お兄さんだったんですか? 道理で似ていらっしゃるわけです」
「よく言われるよ、兄弟そろって同じような顔をしてるって。昔は双子に間違われたこともあるくらいだからね」
「そうだったんですね」

 点と点が線になり、しかも社長と結衣さんが恋人同士でもなかったと知って、一気に胸のつかえが下りた。

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