秘密の恋は1年後

「おかえりなさい、愛斗さん」
「ただいま。六十点」
「厳しいですね」
「おかえりのキスがないからなぁ」

 六十点? キス!?
 愛斗(まなと)という男性と結衣さんの声に首を傾げる。
 美味しそうな食事が並んでいるダイニングテーブルにビールグラスを置いた社長は、そんな私を見てくすっと笑った。


「今日は尚斗さんのお客様がいらしてるんです」
「そうか」

 ふたりの会話と共にリビングのドアが開き、結衣さんに続いて男性が入ってきた。


「こんばんは。麻生と申します。夜分お邪魔してすみません」

 目が合うなり、私はお辞儀をして挨拶をした。


「はじめまして、千堂です。尚斗がいつもお世話になっております」

 丁寧に返してくれた愛斗さんは社長と同じくらいの長身で、見るからに仕立てのいいグレーのスーツを着こなしている。それに、社長とよく似た顔立ちの美形だった。

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