秘密の恋は1年後
新橋駅で降り、汐留側に見える井浦リアルエステートの本社ビルを仰ぎ見る。
こんなに楽しい気分で出社するのはいつぶりだろう。
仕事は好きだけど、プライベートの充実を感じるのは久しぶりだ。
仕事が終わったら、今日はデート……。
そう何度も心の中で呟きながらビルに入り、社員証を警備員に見せてゲートを通過した。
「おはよう」
「っ!! びっくりした!」
突然後ろから声をかけられて振り向くと、姉の美桜がいた。
親会社のビルなのだからいても不思議ではないけれど、朝から偶然会うなんて。
しかも、よりによって社長に告白されて、今朝はデートのお誘いの連絡があったばかり。唯一私の想いを知る姉に出くわすとは思っていなかった。