クールな社長の耽溺ジェラシー
「すごいな……これ、小夏が全部つくったのか」
リビングのテーブル一面に広がった料理に、新野さんが目をキラキラと輝かせた。
照明や図面を見つめているときとは違う煌めきに、あれから新野さんの家にお邪魔して、料理を頑張った私も報われた気持ちになる。
ひとり暮らしだし、普段外食が多い新野さんのことだから、きっと高級な料理より家庭的な料理のほうが喜んでもらえる。その考えは的中したようだ。
「新野さんが好きそうなもの……っていうより、私が人に食べさせられるレベルのものっていう基準になっちゃいましたけど」
「いや、なんだっていい。小夏が料理したものだったら、全部好きだ」
食べてもないのにそう決めつけて箸を握り、待ちきれないとばかりに向かいに座った私を見つめた。
「もう食べてもいいか?」
「はい、どうぞ」
「いただきます」
きれいに手を合わせると、さっそくおかずに箸を伸ばした。小皿に盛るのも待ちきれないのか、そのままパクリと頬張る。
「ん、うまい。これもうまいな。こっちも」
次々に口へ運び、“うまい”を連呼してくれる。
「なんか自分がバカになったみたいだ。うまいしか出てこない」
苦笑して肩を落とした新野さんがなんだかかわいらしくて、思わず噴きだしてしまった。