クールな社長の耽溺ジェラシー
次の日は正司さんと完成した商業施設の最終確認があった。
手元の図面に数字を書き込み、ふと間ができるとつい新野さんのことを思い出してしまう。
私の一番になると宣言した新野さんの表情は冗談じゃなかった。
「ここも照度はいいみたいだね。高塔さん、これで全部かな?」
照度計から顔をあげた正司さんにたずねられ、もう一度、チェック漏れがないか確認した。
「あ……はい、これで完了です」
図面に視線を落としたまま答えると、正司さんから「高塔さん?」と不審そうに声をかけられてしまった。
「どうしたの、さっきからおかしいよ? うつむいてばかりで、僕と目を合わせてくれないような気がするなぁ」
まったくその通りで、今日は目を見られずにいた。
正司さんが新野さんの設計を盗作したという事実を受け入れられず、かといって彼を信じ抜くこともできず、まだ戸惑っている。
「メイクがあまりうまくできなくて。恥ずかしくて、つい」
「そう、やっぱり女性だね。気にしなくてもいいのに」
「女性……」
正司さんも私を女性扱いしてくれた。それなのに、新野さんに扱われたときと感じ方が違う。うまく説明できないけれど。