美魔王さまと結婚したなら
食事会は終始和やかで、みんなで楽しく過ごせた。
今は片付けも済んで、みんな帰ったところ。
すっかり静かになったリビングの向こうには、夜景が見える。
いつも通り、食後のお茶を入れてソファーに座る私に持ってきてくれた明さん。
妊娠が分かってからは、私と一緒に明さんもノンカフェインのコーヒーや紅茶を飲んでいる。
別に一緒じゃなくていいよ?と言ったこともあるが、どうせ準備するなら同じものの方が楽と言う。
なので、そのまま習慣になった。
今日はカフェインレスのフレーバーティー。
この茶葉は父が用意してくれたもの。
今日来た時にイギリスからごっそりカフェインレスの紅茶を持ってきた。
どうやら、こちらでこれからこれらの輸入販売を展開するつもりらしい。
父親のエドワードは国際弁護士と言う肩書きを持ちながら、実家の家業である商社の代表も務めている。
そんな父だったが私の結婚と妊娠を機に、跡継ぎ指名していた親戚筋に社長職は譲って実務からは離れたものの、会長として残っているのでまだまだ引き継ぎ回りをしているそうだ。
なので、世界展開の商社の会長な父は日本に来たのもつかの間、数日後にはまた日本を出て世界各国の支社をめぐって来るのだとか。