ダブル~私が選ぶのはどっち~
慎がそう思うのも仕方のない事だろう。

「そうかもね。」

私は笑う。

「俺、そんな琴乃さんの事を分かっているつもりだけど、大丈夫かな。」

慎は笑いながら言う。

「ダメだと感じちゃったら、その時はしょうがないよ。」

私のそんな思いついたままの言葉に、明らかに慎はムッとする。

「ダメ。お互いちゃんと努力をしよう。」

「でも…。」

慎は私の口に自分の人差し指を近づけた。

それでも何かをしゃべろうとする私に慎は…。

「ん…、ん。」

慎の唇が私のそれに触れる。

それは段々深くなっていき…。

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