ダブル~私が選ぶのはどっち~
やっとそれがどちらともなく離れる。

「慎!」

私は思わず叫ぶ。

「琴乃さん、せっかく一緒に居るんだからこの時間を大事にしよう。言い争いなんてしている暇はないよ。」

ニッコリと笑う慎のその余裕が憎らしい。

すると慎は、今度は私の額にキスをした。

「もう琴乃さんにずっと触れていたい。」

「何を言っているのよ。ここは駅のホームだって事、忘れていない?」

私の焦っている顔を見て、慎は楽しそう。

「いつも淡々としている顔か、感じている時の顔しか見た事なかったから…。」

私は思いきり顔を上げて、悪態をつこうとした。

「もっといろんな表情を見せて、琴乃さん。」

慎のキスにまた捕まってしまった。














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