season
5分後。




公園の入り口から走ってくる人影が見えた。




「ごめん!本当助かった、ありがとう!」




息を切らしながら、爽やかにその一言を発した男性。





上下ジャージ姿で…見たところ大学生ってとこか。




「いえ、別に。」




そう言ってスマホを返そうとしたら、スマホを通り越して私の手首を掴んできた。




「ちょ…何?」




「つーかさ、俺が言うのも何だけど、こんな遅くにこんな物騒なとこ、女の子がいちゃ駄目だろ。」






ほんと、何であなたが…




と思い、しっかりと相手の顔を見ると…







なんだか胸が、ザワザワした。








「…本当だよ。あなたのために待ってたんでしょ。」





「ははは、そうだよな。悪かった、送るよ。家どこ?」







そう言って立ち上がるこの人は、とても背が高くて…






なんでだろう。





ほんの少しだけ、見惚れてしまっていた。


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