season
公衆電話からだ。
「……………」
ーーープルルル…
「……はい」
あまりにもしつこく鳴るので、思わず出てしまった。
すると…
『もしもし、それ俺のスマホ!よかったー、拾ってくれて!今どこにいます?』
「え…あの、公園…ですけど…」
『公園?…ああ、今朝のあの公園で落としてたのか。悪いけど、5分で行くから待っててくれません?』
…なんて言って、返事も待たずに切れた電話。
「めんどくさ…」
なんで私が待たないといけないの?
ベンチに置いとけば、まあわかるでしょ。
…とはいえ、本気で困ってるっぽかったしな。
「………はぁ」
さっきよりも深くベンチに腰掛け、再び夜空を見上げた。
私はあと、何度こうしてため息をつくのだろう。