season
これには、春馬くんも目をまん丸にして、言葉を失っている。




「正確に言えば、お父さんが教育実習中の先生で、お母さんが生徒。だから夏海が秋山先生と噂になっちゃった時、あなたの気持ちはわからなくもなかったのよ?でも夏海は、秋山先生と付き合ってなかった。それなのに、夏海に段々と元気が無くなっていって、心配で。そんな時…突然学校に行くって言った夏海の目が輝いていて、驚いたわ。夏海を支えてくれる人が現れたんだって、お母さん思ったの。」




お父さんとお母さんがいつどこで出会ったのかなんて、聞いたことなかった。




お父さんとお母さんも、禁断の恋してたんだね。




「先程の須賀先生の言葉に、安心しました。ちゃんと夏海の過去を知っていて、それで配慮してくださっているんでしょう?それなら、もう何も言うことはないわ。夏海をお願いします。」




絶対、別れろって言われると思ってた。




それなのに、理解してくれた。



お父さんも、お母さんも…




二度も同じ過ちを繰り返した私のこと、一度も責めなかった。




「夏海さんとの関係は、絶対にばれないようにします。教師として、卒業まできちんと見届けます。本当に……ありがとうございます!」




春馬くんと一緒に、私も頭を下げた。




「ありがとう…」





…泣きながら、その一言を呟いて。



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