season
「ねえ夏海。たまには外出ない?ずーっとお家にいても退屈でしょ?」
突然、菜々子にそんな提案を受けた私。
正直、外に出るのは勇気がいる。
だって、高校から離れてるとはいえ、いつどこでうちの生徒に会うかわからないし、とか…
いろんなこと考えてしまうから。
眉間にしわを寄せて考え込む私に、大貴が笑う。
「まあいーじゃん!たまにはパーっと遊ぼうぜ、な?」
大貴と菜々子に無理やり背中を押され、私は久しぶりに外出することにした。
「懐かしい、この公園!」
「昔よく3人で遊んだよなあ。あの砂場とかさ!」
「…そうだね。」
公園。
砂場、ブランコ、滑り台…
懐かしさを感じる一方で、切なさも感じるこの場所。
あの頃は無邪気だったな。
恋とか、そんなの知らなくって。
何にも考えずに毎日遊んでた、あの頃。
あの頃に、帰りたいよ。