Sweet moments ~甘いひと時~


彼は何故、それでもなお私を好きだなて思えたのだろう。


「興信所でお調べになったのならご存知ですよね?、、、私に借金がある事を。何とも、、思わないんですか?いえ、それ以前にきっと、私の生い立ちも聞いてますよね。貴方は私が好きだとおっしゃってくれましたが、貴方に釣り合うような人間じゃないんです。、、、生きてきた世界が違います。だから、、、。」


『だから?』


「だから、その、、。」


彼のあまりにも強い威圧感に尻込みしているいると、溜息が聞こえた。


「キャバ嬢をしている理由が、父親が作った借金だと知って胸が痛みました。夢であるパティシエになるべく奮闘して劣悪な家庭環境の中、夢を叶えた貴方は本当に凄い女性だと思いました。Sweet momentsで働く貴方は本当に楽しそうで、借金の事なんて微塵も感じさせない程、輝いていました。そんな強くて綺麗な貴女から目が離せなくなって気付けば強く貴方に惹かれていきました。」
< 205 / 375 >

この作品をシェア

pagetop