Sweet moments ~甘いひと時~


つい興奮して声をあげてしまい、気持ちを落ちつかせようと深呼吸した。


「つい、、、声が大きくなってしまってすみません。第一に貴方への気持ちが全く分からないんです。普通の恋愛と違って、私と貴方が乗り越えなければいけない壁は多い筈です。ましてや気持ちも分からないのに、乗り越えられる訳がないじゃないですかっ、、、、!」


泣きそうになる自分が嫌になる。

何としても彼に諦めて貰わなければ。
惨めな思いをするのは自分なのだから。


それでもハッキリと突き放す事が出来ないのは、やっぱりそれだけ彼の事が好きだから。


「でも貴方は、私の事が嫌いじゃないと言いました。もし私の事が嫌いならば潔く諦めます。でも私にもまだチャンスはありますよね?今はまだ、婚約者のままでいいです。これから少しでも好きになって貰えるように努力します。、、、ですから私から離れないで下さい。」


彼の声が少し震えていて、何故かこちらが泣きそうになってしまう。
< 237 / 375 >

この作品をシェア

pagetop