Sweet moments ~甘いひと時~


結局泣き止むまで抱きしめられて、何故か2人も泣いていた。

その日はお腹いっぱいケーキを食べて、お腹も心も満たされた。



帰り際、いつでもおいでと優しく声を掛けてくれてその日から何かあると〝ケーキショップ さかい〟に逃げ込んだ。

おじさんとおばさんは〝舞華ちゃん〟と呼ぶようになって、私も2人を〝雅彦さん〟〝加代さん〟と呼ぶようになっていた。


両親の前では相変わらず笑顔を崩せずにいたが、2人の前では素の自分でいられた。

2人と過ごすこの時間だけが、唯一穏やかな時間だった。



店のお手伝いをしているうちに、いつしか雅彦さんと加代さんみたいなパティシエになる事が夢になっていた。


2人に沢山の愛情を貰って、2人のお陰で将来の夢まで出来て本当に感謝しかない。
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